初盆・新盆とは忌明け後に初めて迎えるお盆のことをさし、僧侶を招いて法要を行います。一般的に初盆・新盆には近親者や親族だけでなく友人や知人が参列することもあり、忌明け後に行う本格的な法要の一つです。
さて、近年では葬儀を近親者だけで行う「家族葬」が多くなってきていますが、初盆についても家族だけで行う場合が少しずつ増えてきています。このページでは家族だけで行う初盆・新盆について、迎え方、準備(提灯、飾り、お供え)および、香典やお布施、服装などについて解説します。
………このページの内容……… |
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▼1. 家族だけ(身内だけ)で行う初盆・新盆とは |
▼2. 家族だけで行う初盆・新盆の準備 |
▼3. 家族だけで行う初盆・新盆「当日の流れ」 |
▼4. 家族だけで行う初盆・新盆の服装 |
……[関連ページ]… |
初盆・新盆 準備〜前日>>> |
初盆・新盆 当日の流れと服装,「盆見舞い」>>> |
初盆・新盆 お供え>>> |
初盆・新盆 お布施>>> |
初盆の服装・新盆の服装>>> |
家族だけの一周忌法要>>> |
家族だけで行う初盆・新盆の注意点と、初盆の時期 |
▼家族だけで行う初盆・新盆 の注意点は? 初盆の迎え方については、「盛大に行うか身内だけで行うのか」を、家族がそれぞれに決めることができます。必要に応じて「身内だけで初盆を行う」とお知らせしましょう。 例えばもし葬儀を通常の規模で行った場合には、葬儀に参列した人は初盆にも参列する方が多い上に、参列しなかった人のなかには「葬儀に参列できなかったが、初盆にはご焼香だけでもぜひ伺いたい」と考える人もおられるため、身内だけ・家族だけの初盆の場合には、「身内だけで初盆を行う」ということを必要に応じて先方にお知らせします。お供物やお香典を辞退したい場合にはその旨もお伝えするようにします(次項2で解説)。 ▼初盆・新盆はいつ? 初盆・新盆とは忌明け後に初めて迎えるお盆のことをさします。喪の期間が明けたことを忌明けと言い、一般的には四十九日の法要を終えると忌明けとされます。 お盆の時期にまだ四十九日を迎えていない(忌明けが済んでいない)場合には、初盆・新盆の法要は翌年に行われます。 なお、ほとんどの地域では8月15日頃に行われます(下記) ▼お盆の時期は7月15日頃または8月15日頃 |
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家族・身内だけで行う初盆の準備 |
必要に応じて「家族・身内だけで初盆を行う」と知らせる |
▼初盆法要を家族だけでやると決めたら |
初盆の法要をする場合には、お寺に早めに予約する |
家族だけの初盆であっても、僧侶による読経は行うのが一般的です。菩提寺に早めに予約を入れましょう。その際には「家族だけで初盆の法要をしたい」と伝えます。場所は「自宅で」「お寺で」など希望を伝えます。 初盆法要・新盆法要は自宅に僧侶をお招きして読経をしていただくのが一般的ですが、住宅事情や、菩提寺ごとの宗派やしきたりなどによっては、施設やお寺で行う場合もあります。家族だけの初盆で斎場を利用することもあります。斎場の場合には、初盆法要後のお斎(おとき)=会食をすることができる斎場もあります。 初盆・新盆を迎えたお宅が多い場合には僧侶も一日に複数のお宅で読経をすることになりますので、遅くとも一ヶ月前までには予約をします。 |
自宅なら、精霊棚や初盆提灯(いずれも必須ではない)などを準備する |
▼精霊棚とは(=しょうりょうだな) 精霊棚とは、お盆の盂蘭盆・盂蘭盆会の儀式の際に、先祖の霊を迎えるために作る棚(お盆期間中に位牌を安置する棚)のことで、盆棚とも呼ばれます。その年に採れた作物などをお供えしたり、精霊馬を供えたりします。 地域や宗派によって飾り方が異なりますが、浄土真宗ではお盆に霊が帰ってくるという考え方が無いので、精霊棚は飾らないとされます。 精霊棚の飾り方は「初盆」のページへ>>> ▼精霊馬とは(=しょうりょううま) 精霊馬とは、精霊棚に備える牛と馬のことで、あさがら・おがら(麻幹/苧殻)や割り箸などで胡瓜(キュウリ)に足をつけたものが馬、茄子(ナス)に足をつけたものが牛とされます。 祖先の霊に、来る時は馬に乗って一刻も早く来られるように、戻る時は牛に乗ってゆっくりお帰り下さいと言う願いを込めてしつらえます。 |
引き出物やお返し |
家族だけで行う初盆でも、事前に「香典やお供え、お花などは辞退します」とお伝えしていない場合には、親族や故人の友人・知人、あるいはご近所の親しい人などから「初盆見舞い」「御供物料」「お供物」「御提灯代」「香典」などをいただくことがあります。その場合にはお礼状を添えてお返しを送ります。 |
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精霊棚・盆棚の飾り方 (迎え方) |
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※お盆の儀式は7月15日頃または8月15日頃に行ないます(地域によって異なります) |
◆精霊棚の飾り付けの開始 |
家族だけで初盆を行う際に、精霊棚を飾る場合には8月13日(または8月12日)に飾ります
(ただし、7月にお盆を行う地域では7月12日または13日に)。 |
◆精霊棚の作り方 |
精霊棚が完成したら、位牌を仏壇から取り出し、精霊棚の中央に置きます。 位牌を出している間は仏壇の扉は閉めておきます。 精霊棚の飾り方は「初盆」のページへ>>> 精霊棚の飾り方は地方や宗派によって異なります。一般的には中央に御位牌、その前に燭台、香炉、鈴などを飾ります。 盆提灯がある場合には、精霊棚の両脇に飾ります。 初盆にのみ用いる白提灯だけは、はじめてのお盆に迷わず帰って来られるように軒先や玄関先などに飾ります。 なお、お供物の他に、13日にはお迎え団子、14〜15日には落着き団子、16日には送り団子などをお供えすることもあります。 ※参考 「お迎え団子」「おちつき団子」「送り団子」>>> |
参考ページ…初盆・新盆 お供え>>> |
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お盆の日程と流れ |
※お盆の行事は一般的に7月15日頃または8月15日頃に行なわれます |
前日までに |
お布施の用意 |
・お布施とは、僧侶にお渡しする謝礼のことをさします。御経料とも言います。初盆法要の前に準備しておきます。お車代、御膳料も含めると30,000円〜50,000円が相場です。金額に迷う場合は予約の際にお寺に確認しましょう。 |
当日(下記の日付は7月にお盆を行う地域では7月に読み替えて下さい。) | |
8月12日もしくは13日 | |
精霊棚(盆棚)をしつらえる(精霊棚の準備) | |
・故人をお迎えするための精霊棚・盆棚をしつらえます。 | |
祭壇をしつらえる(祭壇の準備) | |
・初盆・新盆の法要の規模によっては立派な祭壇をしつらえます。( 地域によって、宗派によって異なります。 ) | |
8月13日(盆の入り・盆入り・迎え盆) | |
お墓参り | |
・午後、お墓の掃除とお墓参りをします。 ・お墓参りの時にお墓で提灯に火を灯し、先祖の霊を家まで案内する地域もあります ※お墓参りについて>>> |
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・提灯に火を灯す | |
・盆提灯に火を灯します。 | |
・迎え火を焚く | |
・夕方、死者の魂・祖先の霊を家に迎えます。 ※迎え火・送り火について>>> |
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8月14日〜15日 | |
初盆法要・新盆法要(はつぼんほうよう・にいぼんほうよう) | |
・お盆の法要、供養の儀式などがおこなわれます。 ・初盆法要の流れは下記にて解説します。 |
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8月16日 | |
・送り火を焚く | |
・お盆明けの日に、火を焚いて先祖の霊をお送りします。帰り道に迷わずあの世にもどれるようにというものです。 ・送り火のやり方は別ページ「お盆2」にて解説します。 |
初盆法要の流れ(家族だけでやる場合の初盆法要の一例) |
法事・法要の流れには決まりはありません。下記は、代表的な例です。 |
1〜8.項目 / 新盆法要進行 仏式の作法など |
1.僧侶入場(法要をする部屋に僧侶を招き入れる) |
僧侶の席を祭壇または精霊棚の前に用意しておきます。 |
2.施主の挨拶(家族だけでする場合) |
[施主の挨拶の例(初盆の挨拶)] (僧侶の方を向いて)「本日はお忙しい中、またお暑い中をおこし頂きましてありがとうございます。それではこれより祖父 太郎(または◯◯◯◯=戒名)の初盆(新盆)の法要を始めさせて頂きます。それではよろしくお願いします。」 というように、ごく簡単に挨拶をします。 |
3.僧侶の読経 |
4.ご焼香 |
施主から順番に、前の方に着席している人から焼香をしていきます。 |
5.法話 |
6.僧侶退場 |
家族だけでする初盆の場合には、法要のあとのお食事・会食(お斎「おとき」)が省略されることもあります。 |
7.墓参り |
墓地が遠い場合には省略されます。 |
8.施主の挨拶(法要の閉じ方、終わり方) |
施主のお礼の挨拶のあと、会食(御斎)になります。 |
盆会墓前読経(ぼんえぼぜんどきょう) |
・盆会墓前読経とは墓前で読経をすることをさします。お盆の期間に墓前読経をするのかどうかについては、お寺によって異なります。 |
上記の他、お盆には地方によってさまざまな風習があります。 例えば、「精霊流し」を行なう地域や「灯篭流し」を行なう地域もあります。 |
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通常の場合、初盆・新盆には法要を行うため喪服・礼服を着用します。しかし家族だけで初盆法要をする場合には、決まった服装はありません。
ただ、初盆法要をするのであれば僧侶にもおこしいただくことになります。僧侶は「家族だけの初盆法要」であっても、一般の初盆法要と同様に服装も含めてきちんと準備して来られますので、あまりラフな服装にならないようにしましょう。もちろん喪服を着用する家族もおられます。家族で相談して略礼服や地味な服装など、統一しましょう。
また、お寺で初盆法要をする場合には家族だけの場合でも喪服・礼服を着用することをおすすめします。子供の場合には制服があれば制服を着用し、制服がない場合には無地の黒、紺、グレーを中心に白や薄い水色などと組み合わせると良いでしょう。サンダル履きは避けるようにします。
家族だけで初盆法要をする場合の挨拶状 |
(1)葬儀は一般的な葬儀を行ったが、初盆は家族だけで行う場合の例文 |
謹啓 向暑の候★1 これまでに皆様に賜りましたご厚情に心より感謝申し上げますとともに改めてお詫びを申し上げます。 末筆ではございますが皆様のご健勝をお祈り申し上げます 敬具
令和◯◯年◯月
住所 ◯◯市◯◯町 ◯−◯−◯
鈴木 太郎
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お盆の時期の一ヶ月前までには出しましょう(地域によって7月にお盆をする地域と8月にお盆をする地域があります)。 もし、香典やお供物、新盆見舞い、お花などを辞退する場合には「本来であれば〜」以降の部分を以下のような文章にすれば良いでしょう。 【家族だけでする初盆 香典やお供物などを辞退したい場合の例文】 「本来であれば皆様にご臨席賜り 初盆法要を営むところではございますが 甚だ勝手ながらこのたびの法要につきましては家族のみでささやかに営みたいと存じます 何卒私共家族の気持ちをご理解頂きご了承頂ければ幸いでございます なお誠に恐縮ではございますが、御香典・ご供花・御供え物・新盆見舞いの儀は固くご辞退申し上げます (このあと改行して 「これまでに賜りましたご厚情に心より感謝〜」と続く)」 |
家族だけで初盆法要をする場合の挨拶状(つづき) |
(2)葬儀は家族葬でおこなった、初盆も家族だけで行う場合の例文 |
謹啓 盛夏の候★3 これまでに皆様に賜りましたご厚情に心より感謝申し上げますとともに改めてお詫びを申し上げます。 末筆ではございますが皆様のご健勝をお祈り申し上げます 敬具
令和◯◯年◯月
住所 ◯◯市◯◯町 ◯−◯−◯
鈴木 太郎
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お盆の時期の一ヶ月前までには出しましょう(地域によって7月にお盆をする地域と8月にお盆をする地域があります)。 もし、香典やお供物、新盆見舞い、お花などを辞退する場合には「本来であれば〜」以降の部分を以下のような文章にすれば良いでしょう。 【家族だけでする初盆 香典やお供物などを辞退したい場合の例文】 「本来であれば皆様にご臨席賜り 初盆法要を営むところではございますが 甚だ勝手ながらこのたびの法要につきましては家族のみでささやかに営みたいと存じます 何卒私共家族の気持ちをご理解頂きご了承頂ければ幸いでございます なお誠に恐縮ではございますが、御香典・ご供花・御供え物・新盆見舞いの儀は固くご辞退申し上げます (このあと改行して 「これまでに賜りましたご厚情に心より感謝〜」と続く)」 |
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