家族葬の香典

■ 家族葬の香典とは
家族葬の香典のページ。家族葬とは、身内や親族などごく内輪だけで行う葬儀のため、家族葬の場合の香典は通常親族のみが持参します。
ここでは家族葬の香典について、親族、孫、近所などの金額相場や渡し方、香典返し、遺族が香典を辞退した場合はどうするか、後日の連絡のしかた・後日に弔問する際のマナー等を解説します。

 1.家族葬の香典  金額相場(親族、孫、ご近所は?)

家族葬とは、身内や親族などごく内輪だけで行う葬儀のため、慣例にとらわれることなく柔軟に行われます。家族葬の案内を受けたという時点で故人とゆかりが深いという意味になりますが、 なかには「香典は辞退したい」といった旨を伝えるケースもあります。

家族葬の香典について(葬儀もしくは通夜)
◆家族葬の場合も香典を持参するの?

1.家族葬に参列する間柄の人が持参する香典は?

  ・葬儀の案内を受けた場合には、香典を持参します。むしろ出席者は故人とゆかりが深い人ばかりなので、金額も比較的多めとなります。
2.家族葬に(葬儀もしくは通夜)に参列しない間柄の人は?
  ・身内だけで行うのが家族葬です。葬儀の案内がなかった人は、基本的には香典は不要です。どうしても何か贈りたいという場合には、遺族の負担にならないような金額の範囲にとどめるべきでしょう。
◆家族葬場合の香典の金額は?

・家族葬の場合、会食も無い場合があります。香典については、会食の有無によって金額が異なります。会食がある場合には食事代を考慮した金額を持参します。
・香典には急な出費に対する相互扶助の意味もありますので、葬儀に参列する場合には必ず持参します。ただし、家族葬自体が無駄を排したシンプルなかたちのものなので、各自の経済状態に応じた金額で良いでしょう。

※下記は香典の相場として金額を掲載しています。実際には、4万円という数字は縁起が悪いとされ(「死」を連想することから)使用されることはありません。連名で香典を包む際の一人あたりの金額としてはアリです(例えば5人兄弟で@4万円×5人=20万円など)。

・「香典を辞退したい」という連絡を受けた場合には
…家族葬で香典を辞退する旨を伝えられたら、香典を持参しないのがマナーです(詳細は項目3へ>>>

[家族葬に出席・参列する人の例]
A.故人と同居の家族のみ
B.故人の近親者のみ(同居・別居にかかわらず二親等くらいまで)
C.故人の家族および親族のみ
D.故人の家族、親族および、故人とごく親しくしていた人のみ

家族葬 通夜・葬儀の香典の金額の相場

あなたとの関係
(故人はあなたの◯◯)

贈り手のあなたの年代とお香典相場

20代

30代

40代〜

祖父母
(祖父,祖母)
20,000〜30,000 20,000〜40,000 30,000〜50,000
両親
(父,母)
40,000〜100,000 50,000〜100,000 50,000〜100,000
兄弟・姉妹 30,000〜50,000

50,000

50,000

20,000〜50,000 20,000〜50,000 20,000〜100,000
親戚・親族 10,000〜20,000 20,000〜30,000 20,000〜50,000
家族葬 通夜・葬儀の香典の金額の相場(つづき)
あなたとの関係
 

贈り手のあなたの年代とお香典相場

20代

30代

40代〜

故人はあなたの親しい友人
  家族だけで故人を見送りたいという主旨で行うのが家族葬なので、故人と親しい間柄でなければ友人は通夜・葬儀に参列しません。故人と友人であった人は、遺族から案内があった場合のみ通夜・葬儀に参列します。下記は遺族から案内があった場合の香典金額です。
もし案内がなかった場合には何もしないのがベストですが、どうして気持ちを伝えたい場合にはお悔やみ状を送る(または供花やお供え物など、お返しを気にしなくて済む金額のものを送る)のが望ましいでしょう。
10,000〜20,000 20,000〜30,000 20,000〜30,000
ご近所
  家族だけで故人を見送るのが家族葬なので、ご近所の人は、よほど親しい間柄でなければ通夜・葬儀に参列しません。
香典も原則として持参しませんが、もし普段から交流がありどうしても香典を持参したいという場合には、供花やお供え物などが望ましいでしょう。予算は遺族がお返しを気にしなくて済む金額(1,000円〜5,000円)にするべきです。

 2.家族葬の香典 渡し方

 家族葬は身内だけで故人を見送るものです。下記のような点に注意や配慮が必要です。

家族葬の香典の渡し方
▼遺族からの案内がなければ通夜や葬儀に参列しない
・ごく身内だけで行うのが家族葬です。なかには通夜を行わず葬儀だけを執り行う形の家族葬もあり、勝手に通夜に駆けつけたり、葬儀に参列したりするのはむしろマナー違反となります。遺族からの案内がなく「親族だけで行います」と言われた場合には通夜や葬儀には参列しないようにします。

▼香典を辞退されたら無理に渡さない
・家族葬の場合、遺族から「香典は辞退します」と言われることがあります。そんな場合には香典をお渡しするのはNGです。(詳細は次項3で説明>>>

▼遺族から通夜,葬儀の案内があり、かつ香典辞退の告知がなければ通常どおりでOK
・通常の通夜,葬儀と同様に遺族から案内があり、かつ「香典を辞退します」の告知がなければ香典は通常通り香典を渡して構いません。一般的な通夜や葬儀と同様に受付でお悔やみの言葉を述べ、香典をお渡しします。
 仏教の場合に最もよく用いられる表書きは「御霊前」などとなります。(参考ページ「通夜・葬儀の香典」>>>

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 3.家族葬の香典 遺族が香典を辞退した場合

 身内や親族だけで故人を見送りたいと願うのが家族葬の主旨です。家族以外の来客の応対や、香典返し、会葬礼状などの手続きに煩わされず、身内だけで静かに過ごしたいという遺族の気持ちを何よりも尊重するのがマナーです。

家族葬 遺族が香典を辞退した場合

遺族から香典を辞退したいと伝えられたら原則として香典を渡すのはNGです。
後日になって訃報を知った場合も、あとから香典を送るのもNGです。


どうしても弔意を表したい場合には、供花あるいはお供物などがおすすめです。
ただし遺族がお返しを気にしなくて済むように「お返しは不要でございます」と一言添えると良いでしょう。
お花を送る場合には、メッセージカードなどにお悔やみの言葉を書いて、最後に小さく一行、お返しは不要であることを書き添えます。
【お返し不要の場合の文例】
「なお、お返し等のご配慮は不要でございます」
「お返し等はお気遣いなきようお願い申し上げます」
「お返し等はご遠慮申し上げます」
など。
(参考ページ「お悔やみの手紙、お悔やみ状>>>」)

※弔電について

 家族葬で済ませたいという連絡を受けた場合、出席しない間柄の人でも弔電は送ることができます。家族だけで故人を静かに見送りたいと言う遺族に対し、特に断わりがなかった場合には弔電を送ることは失礼にはあたりません。
もともと、弔電には通夜や葬儀に駆け付けることができない場合に、遺族に対するお悔やみを伝えるという役割があります。
(参考ページ「お悔やみ電報・弔電」>>>

 4.家族葬の香典返し

 香典返しとは、通夜や葬儀の際に頂いた香典のお返しとして四十九日の頃にする返礼品・お返しの品をさします。家族葬の場合の香典返しについて解説します。

家族葬の場合の香典返し
・家族葬の場合には、通夜や葬儀の参列者も身内や親族に限られるため、香典を頂く相手も限られてきます。
基本的には、香典を頂いた相手には四十九日の頃に香典返しをします。またもし喪主が香典を辞退していたにもかかわらず香典を頂いた相手にも、やはり返礼品を送った方が良いでしょう。しかし喪主が香典を辞退していた際に香典(または供花、お供物など)をくださった方が返礼品を辞退していた場合には、お礼状のみでOKです。

・香典返しの金額の目安は、頂いた香典の金額の半返し〜1/3となります。

香典を頂いた場合
香典を頂いた相手には四十九日の頃に、忌明けの挨拶状(忌明けのお礼状)を添えて香典返しをします。
喪主が香典を辞退していた場合
香典を頂いた相手には四十九日の頃に、忌明けの挨拶状(忌明けのお礼状)を添えて香典返しをします。
香典や供花、お供物を頂いた相手がお返しを辞退していた場合にはお礼状のみでOK。

・一般的な葬儀のしきたりとは異なりますが、以下のような例もあります。
遺族とごく限られた身内、親族だけで行った家族葬の場合、内容によっては(話し合いの上で)葬儀もごくシンプルなものとし、かつ、香典返しを行わないケースもあるようです。また、葬儀当日にその場で返礼品をお渡しするだけで済ませることもあるようです。
(改めて品物を送る手間や費用が省けるといった理由から、こうしたやり方が選択されることがあるようです…参考ページ「家族葬」>>>

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 5.家族葬 後日の報告、後日の弔問

 家族葬の場合、すべてを済ませてから友人や知人にお知らせすることが多く、周りの人は故人の逝去を後日の報告で知ることがあります。
後日の報告のポイントと、後日の弔問について、家族葬ならではの注意点などをまとめてみました。

家族葬の場合の後日の報告、後日の弔問について
▼後日の報告のしかた(遺族は…)
ごく身内だけで葬儀を行いたい場合に、親族以外の人への知らせを意図的に後日にすることがあります。挨拶状などの形で故人の逝去を知らせます。
その際、もし弔問や香典を辞退したい場合にはその旨を明記します。

[後日 死亡と家族葬を済ませたことを知らせる場合の通知文例]
下記は弔問や香典、供花を辞退したい場合の文例です。
慣例上、文中に句読点は入れないようにします。
父 穴田友郎儀 かねてより病気療養中のところ 二月二日に逝去致しました
すぐにお知らせすべきところ ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げます
葬儀は二月四日に身内だけで相済ませました
なお 誠に勝手ながら 御弔問ならびに御香典 御供花等のお心遣いを賜ります事は故人の遺志により固く辞退させて頂きたくお願い申し上げます
ここに謹んでご通知申し上げますとともに故人が生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます
 令和○○年○○月○○日
郵便番号 住所
喪主 穴田総一郎
親族一同
もし弔問や香典、供花を辞退しない場合には、上記文例中の
「なお、誠に勝手ながら 御弔問ならびに御香典 御供花等のお心遣いを賜りますことは(故人の遺志により)固く辞退させて頂きたくお願い申し上げます」
の部分をカットします。
▼後日になってから死亡の報告を受けたら(遺族以外の人は…)
[後日の弔問]
「家族葬」には身内だけでひっそりと故人を見送りたいという遺族の思いも含まれていることがあります。もし会葬や弔問を辞退する旨の記載がなくても、 弔問する場合には電話などで先方の都合を聞いてから伺います。突然伺うのはNGです。

[弔問しない場合]
先方の都合が悪い場合や、弔問を辞退された場合には、弔問せずに花やお供物を送るだけにするなど、遺族の気持ちに配慮します。
 また、供花やお供物も辞退された場合には、お悔やみの手紙を出し、お悔やみの気持ちをお伝えします。先方の負担にならないように短い手紙にしましょう。

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[関連ページ]
※家族葬のマナー>>>
※家族葬の挨拶状 >>>
※家族葬と会社 連絡・報告・対応>>>
※家族だけの一周忌法要>>>
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