通夜のマナー

■ お通夜とは
通夜のマナーと服装のページ。お通夜とは、葬儀の前に、故人の魂と静かに寄り添いお別れするために過ごす最後の夜をさします。もとは遺族や近親者だけで行う儀式でしたが、最近は「一般会葬者は通夜または葬儀のいずれかに参列する」という慣例の中で通夜のみに参列するという人も多くなってきています。ここでは通夜のマナーと服装について解説します。
………このページの内容………
▼1. お通夜とは
▼2. お通夜 Q&A
 ・お通夜は友引でも行う?
 ・お通夜の香典は新札・ピン札はダメ?
 ・通夜見舞いの意味は?
▼3. お通夜の服装
▼4. お通夜の香典
▼5. お通夜の受付での挨拶
▼6. お通夜の流れ・進行

 1.お通夜とは?

お通夜とは、故人の遺族や近親者が、身内だけで静かに故人の魂と寄り添いながら過ごすお別れの夜のことをさします。
もとは上述のように故人の親族やごく親しい人たちだけで行われる儀式でしたが、最近は一般 会葬者が参列する機会も多くなってきています。ここでは一般的なお通夜について説明します。

▼一般的なお通夜の流れ  ※詳細は「6.お通夜の流れ・進行」へ>>
親族・参列者着席 → 
通夜開式 → 
僧侶入場 → 
僧侶による読経 → 
親族・会葬者焼香 → 
僧侶による法話 → 
僧侶退場 → 
通夜お開き → 
会食(お斎・通夜ぶるまい)
▼お通夜の形式と特徴(お通夜の時間)             
普通のお通夜 最近多くなった「半通夜」
▽通夜の儀式は18時〜19時に開始。通夜の儀式自体は一時間程度です。
その後に会食があり(通夜ぶるまい。お斎=おとき、とも言います)、21〜22時頃に一旦お開きとなりますが、その後は原則として一晩中近親者が亡くなった人の枕元に付き添い、一晩中寝ないで(または交替で)お線香を絶やさないように灯し続けます。
▽通夜の儀式は18時〜19時に開始。通夜の儀式自体は約1時間程度です。
その後に会食があり(お斎・通夜ぶるまいとも言います)、21〜22時頃におひらきとなります。

※通夜・葬儀を執り行う斎場の規則により、防犯上や防火上の理由などから夜通 しお線香を灯すことは行わない例も多くなって来ています。
故人との関係と、お通夜への参列
・訃報を受けた時の対応は、故人とのおつきあいの深さによって変わって来ます。
近親者、
故人と特に親しかった人
故人と親交があった人、
三親等以外の親族
会社・職場関係の代表者、
一般弔問者
故人の職場同僚、喪主の知人友人、喪家の知人友人など
・訃報を受けたら通夜の前に一旦弔問に駆けつけます。

通夜と葬儀の両方に参列します
・訃報を受けたら通夜と葬儀の両方に参列します。 ・訃報を受けたら通夜と葬儀のいずれかに参列します

・参列できない場合には、職場の代表者名で弔電を打ったり香典や供花やお供物を送ることもあります。
・さほど故人と親しくない場合には、お悔やみの手紙を送る、お香典やお花を送るなど。

・お香典やお花やお供物を連名で贈ることもあります。

※供花のページ>>

 2.お通夜 Q&A

例えば上記で紹介した「半通夜」も、近年行われるようになった新しい通夜のかたちです。ここではお通夜に関してもう一度確認したい知識とマナーをご紹介します。

Q1.お通夜は友引でも行う?(友引のお通夜)
A1.お通夜は友引きでも行います。
・友引の葬儀は「友を引く」から縁起が悪いという俗説がありますが、現実的な理由として友引の日は火葬場が休みのため葬儀・告別式は友引には行いません。しかし通夜は友引でも行います。

・通夜は友引・仏滅などの六曜・六輝にはこだわりませんが、亡くなった日から数えて、葬儀の日が友引にあたってしまうような場合には、通夜をずらして、一日目を仮通夜とする場合もあります。仮通夜は近親者のみで執り行われます。
Q2.お通夜のお香典はピン札はダメ?(お香典に新札はNG?)
A2.お通夜のお香典には、全く未使用の新札ピン札を使うのはNGです。
・ここでいうピン札という言葉は俗語で、いわゆるピンとしたシワひとつないお札=新札をさします。

・急な訃報に際し、取りあえず駆け付けるのが本来の通夜の儀式でした。新しいお札を香典として持参するのは、「この機を予期して新しいお札を用意していたようだ(死ぬ のを待っていたようで遺族に対して失礼にあたる)」とされ、使わないのがマナーです。

 かといってシワだらけのお札や、あまりにも汚いお札、破れたお札も失礼にあたりますので注意して下さい。
どうしても新札しか持ち合わせがない時には、一度折り目をつけて、開いた札を使うと良いとされています。
Q3.「通夜見舞い」の意味は?
A3.お通夜に、遺族を気づかって差し入れする菓子や食べ物です。
・通夜見舞いとは、夜通し故人につきそう遺族を気づかって差し入れする菓子や食べ物をさします。遺族が簡単につまめる菓子やサンドイッチなどの食べ物や飲み物などが多く、金額のめやすとしては2,000〜3,000円程度です。のしなどは付けず、届ける際に「お通夜見舞いです」と告げるようにします。
「通夜見舞い」の習慣がない地域も多くなってきています。

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 3.お通夜の服装

例えば通夜に参列する場合の服装は、訃報を受けたらすぐに弔問に伺うということから、地味な服装であれば普通 の服装で構わないとされてきました。しかし、今日は通夜だけに参列するという弔問客も増えてきているようで、その場合には略礼服の着用も許されるようです。
注意点としては、参列者は遺族よりも格が上になる服装(例えば正礼装)での参列は避けるようにします。

(1)通夜に弔問する場合の参列者の服装
参列者[男性]通夜の一般的な服装
●服装…ダークスーツ(黒、グレー、濃紺)
●ネクタイ…黒
●ワイシャツ…白
●靴下…黒
●靴…黒
●その他…光るものはNG(金時計や、大きく目立つ金色のベルトのバックル、爬虫類のベルトなどは不可です)

◎お通夜には、訃報を聞いて近親者やごく親しい人が駆け付ける場合には、地味な服装であれば構わないとされています。
 しかし最近では、通夜だけに参列し葬儀に出席しない場合も多くなるにつれて、礼服での弔問も増えてきているようです。 通夜の儀式に会葬する場合には、カジュアルな服装はNG。男性の場合にはダークスーツが基本です。

※詳細は「通夜の服装」のページへ>>>
参列者[女性]通夜の一般的な服装
●服装…ワンピース、スーツ、アンサンブルなど(黒、グレー、濃紺)
●ストッキング…黒
●靴…黒(パンプスが基本。サンダル、ミュールなどのつま先が出るものはNG)
●バッグ…黒(ゴールドなどの装飾のないもの)
●その他…光るものはNG(アクセサリーで許されるのは結婚指輪やパール、オニキスなどです。黒の髪飾りもOK)

◎お通夜には、訃報を聞いて近親者やごく親しい人が駆け付ける場合には、地味な服装であれば構わないとされています。
 しかし最近では、通夜だけに参列し葬儀に出席しない場合も多くなるにつれて、礼服での弔問も増えてきているようです。 通夜の儀式に会葬する場合には、カジュアルな服装はNG。女性の場合には黒、紺、グレーをベースにした地味な色のスーツ、ワンピース、アンサンブルなどが基本です。

※詳細は「通夜の服装」のページへ>>>
子供・学生(小学生・中学生・高校生)通夜の服装 (参列者)
故人と深い間柄でない場合には、小さな子どもや赤ちゃんの参列は遠慮した方が無難です。もし参列する場合には、泣き出した場合に席を立ちやすい場所にいるようにしましょう。

◎子供であってもあまりにもカジュアルな服装や派手な色の服装はNGです。制服がある場合には制服を着せます。制服がない場合には、黒、白、グレー、紺などを基本に清楚な服装にします。

※詳細は「通夜の服装」のページへ>>>

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(2)遺族の通夜の服装
遺族[男性]通夜の一般的な服装
[和服・和装]の場合
●正礼装(黒・染め抜き五つ紋)の着物。羽織
●袴…白×グレー ●足袋…黒または白
●帯…角帯(但し錦織以外)
●草履の鼻緒…雪駄で黒または白の鼻緒
●その他…光るものはNG(金時計も不可)
[洋服・洋装]の場合
●ブラックスーツが一般的
(但し正礼装はモーニングコートにグレーストライプのズボン)
●ワイシャツ…白 ●ネクタイ…黒
●ベルト…黒 ●靴下…黒
●靴…黒  
●その他…光るものはNG(金時計や光る金色のブレスレット、大きく目立つ金色のベルトのバックル、爬虫類のベルトなどは不可です)

◎遺族の場合は通夜であっても正礼装の着用が望ましいとされます。

◎ 正礼装には和服と洋服があり、着用するのは和服でも洋服でも良いのですが、和服の正礼装を着用するのは喪主(または喪主に準ずる人)のみです。
社葬などでは通夜と告別式に葬儀委員長が着用することもあります。

◎通夜に洋服を着用し、葬儀には和服を着用することで、告別式の服装を格上げすることもあります。

◎遺族はコートを着用しません。

※詳細は「遺族の通夜の服装」のページへ>>>
遺族[女性]通夜の一般的な服装
[和服・和装]の場合
●正礼装(黒無地着物。染め抜き五つ紋)
●帯、帯締め…黒 ●バッグ…黒
●草履…黒 ●足袋…白
●その他…光るものはNG(アクセサリーで許されるのは結婚指輪やパール、オニキスなどです。黒の髪飾りもOK)
[洋服・洋装]の場合
●正礼装(黒の長袖のワンピースまたはスーツ。)膝がかくれる丈のもの。
●靴…黒のパンプス
●ストッキング…黒 ●バッグ…黒
●その他…光るものはNG(アクセサリーで許されるのは結婚指輪やパール、オニキスなどです。)

◎遺族の場合は通夜であっても正礼装の着用が望ましいとされます。

◎ 正礼装には和服と洋服があり、着用するのは和服でも洋服でも良いのですが、和服の正礼装を着用するのは喪主の妻か故人の妻のみです。

◎通夜に洋服を着用し、葬儀に和服を着用することで、告別式の服装を格上げすることもあります。

◎遺族はコートを着用しません。

◎ 夏であっても露出の多い服はNG。生足も避け、黒ストッキングを着用して下さい。

※詳細は「遺族の通夜の服装」のページへ>>>
子供・学生(小学生・中学生・高校生)通夜の服装  (遺族)
◎学校指定の制服がある場合には制服を着用します。

◎子供であってもカジュアルな服装や派手な色彩はNGです。 暑い季節でもあまり露出の多い服装はさけるようにします。はだしは不可。ソックスを履くようにします。 靴もサンダル、ミュールなどは不可です。

※詳細は「遺族の通夜の服装」のページへ>>>

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 4.お通夜の香典

・香典は通夜または葬儀のいずれかに持参します。

・通夜と葬儀の両方に出席する場合には、香典はどちらの時に出しても構わないのですが、もし通夜の時に受付で香典を渡した場合には、葬儀の際は記帳だけとなります。
  また、通夜に急いで駆けつけたというような場合には香典を持参しないで受付では記帳だけをし、葬儀の時に改めて香典を持参します。香典袋の書き方は宗教によって異なります。必ず喪家(喪主)の宗教にあった表書きの香典を持参します。

A.仏教の場合の通夜・葬儀の香典の書き方
[香典の表書き]
・仏教の場合の熨斗の表書きは「御霊前」「御香料」などです。表書きが印刷されているものを使っても失礼にはあたりません。
中でも最も一般的なのは「御霊前」で、この表書きは通夜・葬儀だけでなく四十九日(忌明け)より前の法要でも用いられます。

[墨]
・薄墨を用います。薄墨は悲しみの涙で文字が滲んでいるという気持ちを表わすとされています。

[名前]
・会葬者の氏名をフルネームで書きます。
・社員本人、社員の家族、あるいは取引先の社員にご不幸があった場合、会社が代表者名で香典を出すことがあります。

[のし袋の選び方と水引き]
・黒白または双銀の水引き
・結び切りまたはあわじ結び(あわび結びとは、左の見本画像のように、結び切りよりも結び目が豪華でアワビのような形になったもの。あわび結びとも言います)
・蓮(はす)の花の絵がついているものは、仏教専用です。

※詳細と書き方見本は香典袋の書き方のページへ>>>
B.神道(神式)の場合の通夜・葬儀の香典の書き方
[香典の表書き]
・神式(神道)の場合の熨斗の表書きは
「御玉串料」「御榊料」「御神饌料」などです。
「御霊前」という表書きは宗教を問わずに使えるとされていますが、蓮の絵が付いているものだけは、仏教専用の熨斗袋なので、神式の葬儀には用いないように注意してください。

[のし袋の選び方と水引き]
・不祝儀用の熨斗袋。
・もし水引きのあるものを使う場合には黒白または双銀の水引き
・結び切りまたはあわじ結び(あわび結びとも言います)のもの。
・蓮(はす)の花の絵がついているものは、仏教専用ですので使えません。

[墨]
・薄墨を用います。薄墨は悲しみの涙で文字が滲んでいるという気持ちを表わすとされています。

[名前]
・会葬者の氏名をフルネームで書きます。

※詳細と書き方見本は香典袋の書き方のページへ>>>
C.キリスト教の場合の通夜・葬儀の香典の書き方
[香典の表書き]
・キリスト教の場合の熨斗の表書きは
「御花料」(プロテスタント)
「 御ミサ料」(カトリック)などです。
「御霊前」という表書きは宗教を問わずに使えるとされていますが、蓮の絵が付いているものだけは、仏教専用の熨斗袋なので、キリスト教式の葬儀には用いないように注意してください。

[のし袋の選び方と水引き]
・十字架の絵が付いたものまたはまたは白い封筒もしくは不祝儀用の熨斗袋。
・もし水引きのあるものを使う場合には黒白または双銀の水引き
・結び切りまたはあわじ結び(あわび結びとも言います)のもの。
・蓮(はす)の花の絵がついているものは、仏教専用ですので使えません。

[墨]
・薄墨を用います。悲しみの涙で文字が滲んでいるという気持ちを表わすとされています。

[名前]
・会葬者の氏名をフルネームで書きます。

※詳細と書き方見本は香典袋の書き方のページへ>>>

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 5.お通夜の受付での挨拶

通夜に伺う際には、弔問客は受付でお悔やみの言葉を述べます。それに対して受付係はお礼の言葉を述べます。下記に代表的な例を紹介します。

良く使われるお悔やみの言葉
ご愁傷様
  ご愁傷様とは…御愁傷様(=ごしゅうしょうさま)とは、相手を気の毒に思う気持ちを述べる時に使うことばです。
※通夜だけでなく葬儀の受付でも使うことができる言葉です。
お気の毒様
  お気の毒様とは…(=おきのどくさま)とは、相手の不幸に同情する気持ちを表わす時に述べる言葉です。
※通夜だけでなく葬儀の受付でも使うことができる言葉です。
葬儀の会葬者が述べるお悔やみの言葉の文例集
お悔やみの言葉は必ず深く頭を下げながら述べ、相手を悼む気持ちを表わすようにします。
このたびはまことに突然のことで、(深く頭を下げてから)心よりお悔やみ申し上げます。
このたびはまことに突然のことで。(語尾をはっきりと伝えず深く頭を下げる)
このたびはまことにご愁傷様でございました。
このたびはまことにご愁傷様でございます。
御愁傷様でございます。
このたびはまことにお気の毒様でございました。
このたびはまことにお気の毒様でございます。
通夜の受付係が述べるお礼の言葉の文例集
受付係は丁寧に挨拶し、感謝の気持ちを表わします。
お忙しい中をありがとうございます。
御丁寧にありがとうございます(「ご丁寧なお言葉をありがとうございます」の意) 。
御丁寧に恐れ入ります(「ご丁寧なお言葉を頂き、恐れ入ります」の意) 。
雨の中をお運びいただきましてありがとうございます。

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 6.お通夜の流れ・進行

お通夜の流れにはおよその決まりがあります。下記は一般的な例です。
だいたいの流れを頭に入れておくと、初めてのお通夜でも落ち着いて行動ができると思います。
喪家では進行役を特に決めなくても、葬儀社の人がリードしてくれます。

お通夜の流れ
親族・参列者着席 受付は30分前に開始します。 参列者と遺族は着席して僧侶の入場を待ちます。
通夜開式 18〜19時頃に開式となります。
通夜の儀式の所要時間は約1時間程度です
僧侶入場
僧侶による読経
親族・参列者焼香
僧侶による法話
僧侶退場
通夜お開き 19〜20時頃にお開きとなります。
会食(お斎・通夜ぶるまい)の所要時間は約2時間程度です
会食
(お斎・通夜ぶるまい)
21〜22時頃に通夜ぶるまいもお開きとなります。
※半通夜の場合はこれでお開き。普通のお通夜は一晩中故人に付き添い、線香を絶やさないようにします。
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