1.代表的な魚料理
フレンチのフルコースでは、魚料理のことをポワソンまたはポアソンと言います(poisson)。魚料理のメニューは名称に料理法が使われるため、まずは代表的な料理法と名称をご紹介します。
魚料理の代表的な料理法(メニュー) | |
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ポワレ[フランス語]poêler | |
(メニュー例:白身魚のポワレ) ポワレとは、蒸し焼きのことをさします。深い鍋に、魚と少量のスープまたはフォン(旨味の詰まっただし汁スープ)などを入れて蓋をし、蒸し焼きにします。 深めのフライパン(蓋つき)を用いて調理することもあります。 |
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グリエ[フランス語]grillé | |
(メニュー例:イサキのグリエ) グリエとは、網焼きのことをさします。専用の焼き網やオーブンなどで焼き目がつくように焼く調理法です。 |
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ムニエル[フランス語]meunière | |
ムニエルとは、塩胡椒をした魚に小麦粉をまぶし、バターまたは油をひいたフライパンで焼いたものです。小麦粉が膜となって魚の旨味が閉じ込められるとされています。 小さめの魚(200〜250g)に適していますが切り身でも使われる調理法です。小麦粉をまぶしてフライパンで焼くため、粉が肴の水分を吸収して熱せられ、デンプンの糊化膜ができます。このことにより焼いている間にも水分がはねることがなく、味や栄養分の損失が少ないだけでなく、肴は崩れずに焼きあがります。その上小麦粉が炒められて香ばしい香りを生じ魚臭味はなくなり美味となります。こうした調理法によりムニエルにした魚は適度に吸収した油脂味が加わり、焦げの風味が加わったものになるため淡白な魚の調理法として用いられます。 |
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ソテー[フランス語]sauté | |
(メニュー例:魚介のソテー) ソテーとは、炒める、あるいは炒め焼きにする調理法です。 少量の油(またはバターなど)で炒め焼きにします。 |
魚介類に用いられる その他の調理法 | |
ピカタ(イタリア語)piccata ピカタとは、材料に小麦粉をまぶして「卵とパルメザンチーズを溶き合わせたもの」を衣のようにつけて焼く調理法 |
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アクアパッツア(イタリア語)acqua pazza アクアパッツアとは、魚介類をワインや水(およびトマト、オリーブオイルなど)を用いて煮る料理 |
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2.魚専用のカトラリーは?
魚料理では、普通のナイフ&フォークというカトラリーを使うこともありますが、魚専用のカトラリーが用意されることがあります。代表的なものをご紹介します。
洋食・フレンチ・フランス料理で使う 魚専用のカトラリーは? |
フィッシュナイフ |
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フィッシュスプーン |
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魚料理をソースと一緒に愉しむためのスプーンです。 スプーンは右手に、フィッシュスプーンは左手に持って使います。 身が柔らかくくずれやすい魚は、このフィッシュスプーンをナイフのように使って切ることができ、さらにこれをスプーンのように使って、ソースと一緒に魚料理を食べることができます。 左手のフォークで魚介料理を押さえ、右手のフィッシュスプーンで魚料理を左端から一口サイズに切ります。次に、スプーンで皿の上のソースを集め魚にソースを掛けるように絡めて食べます。この時、魚料理はフォークに刺して食べても構いませんが、基本的にはフィッシュスプーンに乗せてソースと一緒に食べます。フィッシュスプーンで食べる場合には右手のスプーンをナイフのように持つのではなくスープスプーンのように持って構いません。 |
ソースをパンにつけて食べても良い? フレンチ・フランス料理マナーでは、答えは「くだけた席ならOK。正式な席ではNG」です。 もしカジュアルな席でパンにソースをつけて愉しむ場合には、パンは大きすぎないよう一口サイズにちぎってソースにつけます。 |
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3.魚の食べ方は?
それでは洋食の魚の食べ方を解説します。大きく分けて切り身と、骨のある一匹の食べ方について紹介したいと思います。
切り身の魚の食べ方 |
左端からひと口大に切って食べる |
左手にフォーク、右手にフィッシュナイフを持って、左端からひと口大に切って食べます。付け合せの野菜があれば同じようにひと口大に切って食べます。 ソースがある料理の場合には、フィッシュナイフの代わりにフィッシュスプーンが添えられることがあります。左手のフォークで魚介料理を押さえ、右手のフィッシュスプーンで魚料理を左端から一口サイズに切ります。次に、スプーンで皿の上のソースを集め魚にソースを掛けるように絡めて食べます。この時、魚料理はフォークに刺して食べても構いませんが、基本的にはフィッシュスプーンに乗せてソースと一緒に食べます。 ちなみに、フィッシュスプーンで魚を切る時には持ち方もナイフのような持ち方になりますが、ソースごと一緒にスプーンのようにして食べる場合には、右手はナイフのように人差し指を伸ばして持つのではなくスープスプーンの持ち方で持って構いません。 |
切り身に皮がついている場合は? |
タルタルソースのかけ方は? |
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骨付きのヒラメのムニエルの食べ方 |
骨やヒレなどをあらかじめ切り離してから食べる |
[まずは骨やヒレを取り除く] |
骨付きのヒラメのムニエルは最初にヒレと骨をはずしてから食べます。 |
ナイフは魚用のフィッシュナイフを用います |
①テーブルに運ばれて来た時の状態です。 頭になる方が左に来るように盛り付けされています。 |
②まずは背びれを意識(場所をつかむ)します。
ただし調理法によっては切り離しやすくなっている場合もあります。ナイフで簡単に切り離しができる場合には切り離しても構いません。 |
次に左手のフォークで身をしっかり押さえ、右手のナイフの先の部分で背びれだけを矢印の方向に(皿の上方に向かって)引き抜くようにします。 はずした背びれは皿の奥の方に置きます(下記④参照) |
④につづく |
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骨付きのヒラメのムニエルの食べ方 つづき |
ナイフは魚用のフィッシュナイフを用います |
④腹ビレを意識(場所をつかむ)します。 ただし、調理法によっては切り離しやすくなっている場合もあります。ナイフで簡単に切り離しができる場合には切り離しても構いません。 |
⑤腹びれをはずします。 |
最初に左手のフォークで身を押さえながら、中央の骨に沿ってフィッシュナイフで切り込みを入れます。 このとき、骨にナイフが当たる程度の深さまで切り込むのがコツで、骨に達する深さまででOKです。力を入れて骨を切る必要はありません。 |
⑦背身をはずします。 |
⑧につづく |
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骨付きのヒラメのムニエルの食べ方 (つづき) |
ナイフは魚用のフィッシュナイフを用います |
左手のフォークで身を押さえながら、骨に沿って骨と身の間にすべらせるようにナイフを差し入れて身を浮かせ、骨から上の身の部分を剥がすようにしながら、矢印の方向に(皿の下の方に向かって)腹身をはずします。 |
⑨中骨をはずします。 |
上記の、⑦と⑧の工程で上と下においていた背身と腹身をもとの位置に戻します。 (もとの位置に戻さずに⑪に進んでもよいのですが、もとに戻したほうが皿の上の景色が美しくなります) |
⑪左端からひと口大に切って食べます。 骨とヒレが全て取り除かれた状態になっています。フォークで押さえながら、左端からナイフで一口サイズに切って食べます。 |
3. 魚の食べ方は? |
・一匹まるごとの食べ方 次のページへ |
4. ちょっと雑学(その他の知識) 次のページへ |
・タルタルソースを入れる容器の名前は? 次のページへ |
・レモンの搾り方は?(輪切り。くし形切り) 次のページへ |
・パンをソースにつけても良い? 次のページへ |
・最中柄とは?(読み方=「もなかえ」) 次のページへ |
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