1.献杯とは? |
葬儀や法事法要などでは「乾杯」という言葉を使わずに「献杯」と言います。 |
献杯とは |
1)献杯の意味は? |
・献杯の本来の意味は相手に対する敬意を表わすために杯を差し出すことをさします。文字どおり「杯を献ずる」ことを意味します。 ・葬儀や法事法要などでは、故人に敬意を表し、死を悼んで杯をかかげること、または酒杯を捧げることや酒杯を供えることを言います。 「けんぱい」と読むのが普通ですが、「こんぱい」と言うこともあります。 |
2)献杯はどんな時にするの? |
・葬儀告別式の後 ・法事法要の後(初七日、四十九日、初盆、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌など) |
3)献杯のやり方は? |
↓ 下記は一般的な例です。宗派や地方によっても異なりますし、献杯をしない場合もあります。 ↓ |
献杯の仕方 | |
◆下記の会食の際に、最初に献杯を行います。 ◇葬儀・告別式を終え火葬場から戻った後に行う会食(初七日明けも葬儀と同じ日に行い「精進落とし、または精進明け」として行うこともあります)の食事の最初に献杯を行う。 ◇法事法要の際の会食(お斎=「おとき」と読みます)の食事の最初に献杯を行います。 |
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式次第 | 補足説明 |
1. 位牌にお酒を捧げる | |
・葬儀の後の場合には、遺骨、位牌、写
真を正面に安置します。位牌の前に杯を置き、お酒を捧げます。 ・法事の場合には、位牌の前に杯を置き、お酒を注ぎます。 |
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2. 遺族代表(施主)の挨拶 | |
・遺族代表(施主)が会葬のお礼と、会食の会式宣言的な言葉を述べます。 ・法事の場合には、施主が参列のお礼と会食の開会宣言のような言葉を述べます。 |
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3. 献杯の言葉を頂く人を紹介 | |
・遺族代表(施主)が乾杯の言葉を頂戴する人を紹介します。出席者はこのタイミングで盃に酒を注ぎます。 | |
4-1. 献杯の挨拶 | |
・施主に指名された人が献杯の挨拶(または献杯の言葉)を述べます。 | |
4-2. 献杯の発声 | |
・上記3-1の献杯の挨拶の最後に、話し手は落ち着いた声で静かに「献杯」!と発声します。 この時、杯を静かに軽く上に持ち上げます。 |
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5. 唱和および一同献杯 | |
・出席者は一斉に静かな声で「献杯(けんぱい)」と発生し、杯を軽く上に上げます。 [献杯のマナー] ・隣の人と、杯をカチンと鳴り合わせるのはマナー違反です。 ・杯は静かに軽く上にあげるだけで、高くかかげることはしません。 ・大声で元気よく唱和するのはNGです。 ・杯の酒を飲み干したあと、拍手をしてはいけません。 ・盃の中の酒は飲み干す必要はありません。盃を軽く持ちあげたあと、「6.合唱」に入ります。 |
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6. 合唱 | |
・出席者は全員で合唱または黙祷を行います。 | |
◆6が終わるまで、出席者は料理には箸をつけず、話を聞きます。 | |
7. 食事 | |
・施主が「ありがとうございました。それではどうぞお食事をお召し上がり下さい」などと食事をすすめたら、一同、食事に入ります。 [お斎・会食のマナー] ・会話の内容は故人の思い出を語り合うのがベストです。大声を出したりせずに、静かに落ち着いて食事をします。 |
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8. 施主の挨拶 | |
・施主がお礼の言葉を述べます。 | |
9. お開き |
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献杯とは つづき |
4)献杯の挨拶のポイントは? |
・葬儀の後、あるいは法事の後の会食の席で献杯の挨拶をするときのポイントをご紹介します。 ※法事…初七日法要、四十九日法要、初盆法要、一周忌法要、三回忌法要、七回忌法要、十三回忌法要など |
葬儀、法事の際の献杯の挨拶 | |
ポイント | 補足説明 |
1.だらだらと長くならない | |
出席者は献杯が済むまで飲み物にも食べ物にも手をつけることができません。挨拶は長くなりすぎないようにします。 | |
2. 死を悼む言葉やお悔やみの言葉を盛り込む | |
献杯の時に述べる挨拶であるという主旨を忘れずに、必ずお悔やみの言葉や、故人を偲ぶ言葉などを盛り込むようにします。 例)ご冥福をお祈りします。 例)安らかにお休み下さい。 |
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3. 献杯のマナーを守る | |
「献杯」と静かに発声するほか、杯は静かに軽く上にあげるだけで、高くかかげることはしません。 また、隣の人と杯をカチンと鳴り合わせるのはマナー違反です。 更に杯の酒を飲み干したあと、拍手をしてはいけません。 |
2.葬儀の献杯の挨拶 文例・例文 |
それでは実際に献杯の挨拶を作文してみましょう。文例・例文を紹介します。 |
葬儀 の献杯のあいさつ 文例 |
例文1 施主自身が献杯の挨拶を行う場合の文例・例文 |
本日はお忙しい中、最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。父も安心してくれていると思います。この席では父について皆さんから思い出話を伺えればと思っております。まずは献杯をさせて頂きたいと思います。ご唱和をお願いします。 父が好きだった酒を、今夜はゆっくりと味わいたいと思います。 献杯。 |
例文2 故人の友人が献杯の挨拶を行う場合の文例・例文 |
故人とは学生時代から親しくさせて頂いておりました、佐藤と申します。 ◯◯君との思い出はこれからもずっと大切にしていきたいと思います。 ◯◯君のご冥福をお祈りいたしまして、献杯の御挨拶とさせていただきます。 献杯。 |
例文3 故人の友人が献杯の挨拶を行う場合の文例・例文 |
故人の友人で佐藤と申します。 ご遺族から「献杯の言葉を」と依頼されたのですが、本当にこのたびのことは突然のことで、今だに信じられない気持ちです。 飲むほどに、酔うほどに、いっそう故人が恋しくなりそうですが、彼と一緒に酒を酌み交わすようなつもりで偲びたいと思います。 ◯◯◯の冥福をお祈りして、献杯 |
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葬儀 の献杯のあいさつ 文例 つづき |
例文4 故人の親族が献杯の挨拶を行う場合の文例・例文 |
故人の兄でございます。本日はお忙しい中お集りいただきましてありがとうございました。 おかげさまで無事に葬儀を終えることができ、弟もひと安心していることと思います。 今日は皆さんと共に故人の思い出に浸りながら冥福を祈りたいと思っています。 献杯のご唱和をお願いします。 献杯。 |
例文5 仕事での関係者が献杯の挨拶を行う場合の文例・例文 (アレンジすれば友人の挨拶でも使えます) |
総務部長の山本でございます。 喪主のご長男様はじめご遺族の皆様が、おつらい中を気丈に立派にがんばっておられるお姿を拝見し、故人もお心を残しながらも少しは安堵されたのではないかと拝察致しております。 残された私たちも、今夜はご遺族と心を一つにして故人を偲びたいと思います。 それでは皆様、献杯のご唱和をお願いします。 故人のご冥福をお祈りいたしまして、献杯。 |
法事・法要 の献杯のあいさつ 文例 |
例文1 施主自身が法事の献杯の挨拶を行う場合の文例・例文(四十九日) |
本日はお忙しい中、お集まり頂きましてありがとうございました。おかげで無事に四十九日を済ませることができ祖父も安心してくれていることと思います。 改めて故人を偲び、盃を捧げたいと思います。 献杯。 |
例文2 施主自身が法事の献杯の挨拶を行う場合の文例・例文(一周忌) |
本日はお忙しい中、お集まり頂きましてありがとうございました。おかげ様で無事に一周忌の法要を済ませることができました。父も安心してくれていることと思います。 今日は久しぶりに皆様と共に故人を偲びたいと思います。献杯のご唱和をお願いします。 献杯。 |
例文3 故人の友人が法事の献杯の挨拶を行う場合の文例・例文 |
故人の友人で、鈴木と申します。 今日は久しぶりに故人(◯◯◯)に会いに来ました。 懐かしい仲間と酒を酌み交わせしながら故人を偲びたいと思います。 故人のご冥福とご遺族の皆様のお心が一層穏やかならんことを祈りまして、乾杯。 |
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