1.年忌法要とは?
●追善法要と年忌法要
仏教において故人を供養する儀式を法事・法要と言います。現在では法事と法要はほとんど同じような意味に使われることが多いのですが、もともとは法事の方は仏教の儀式全般をさす言葉でした。
[追善法要]…亡くなってから七日目に行う「初七日」から、四十九日めに行う「四十九日」までの法要を追善法要と言い、四十九日目で忌明けとなります。
四十九日までの間、七日ごとに閻魔大王(えんまだいおう)による裁きが行なわれ、最終的に極楽浄土にいけるかどうかの判決が下されるのが四十九日目だと言われています。閻魔様に少しでも良い判決をしてもらうために故人が生前に行なった善行に(ぜんこう=よいおこない)、遺族が祈ることによって善を足す、善を追加するという意味で「追善法要(ついぜんほうよう)」と呼ばれます。
※参考ページ「四十九日」>>>
[年忌法要]…命日から一年目、三年目、七年目など、節目となる年ごとに行われる法要を年忌法要と言います。また、命日と同じ月の同じ日が毎年一年に一度やってきます。この日のことを祥月命日と言います。◯◯回忌法要とは年忌法要をさし、◯◯のところは亡くなってからの年数マイナス1年目となります。下記の表を参照下さい。
[浄土真宗の法要]…浄土真宗では、宗派によっては年忌法要の際に「忌」という言葉は使わないとされていますが、一般の人にわかりやすくするために「忌」を使うこともあります。実際に挨拶状などを作成する場合には、お寺と相談して下さい。
◆仏教の主な法事法要の名称と日数の数え方(百箇日まで) | |
法要 | |
名称 | 行われる日程 |
命日(めいにち) | ・亡くなった日 |
追善法要 | |
法要の名前 | 時期[日数の数え方] 百箇日までの法要は、亡くなった日を含めて日数を数えます |
初七日 (しょなぬか) |
・初七日は、本来は亡くなってから7日目に行われるのですが、最近は遺族や知人の日程に配慮し、葬儀当日に、火葬場から戻ってきてから遺骨を迎える儀式(還骨勤行=かんこつごんぎょう)と合わせて行われることが多いようです。 |
この間、14日目、21日目、28日目、35日目、42日目といった具合に、七日ごとに法要があります。それぞれ名称がついており、例えば14日めは「二七日忌(ふたなぬか)」21日めは「三七日忌(みなぬか)」となります。これらの法要はふつう遺族のみで行われます。 | |
四十九日(しじゆうくにち) | 49日目。忌明けの法要がなされます |
追悼法要 | |
法要の名前 | 時期[日数の数え方] 百箇日までの法要は、亡くなった日を含めて日数を数えます |
初盆・新盆 (はつぼん・ にいぼん) |
初盆の法要は、四十九日を過ぎてから初めてのお盆に行います。四十九日よりも前にお盆が来た場合には、翌年に初盆の法要を行います。 |
百箇日(ひゃっかにち) | 百箇日の法要は、亡くなった日を含めて100日目に遺族のみで供養をします。 |
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年忌法要早見表 |
◆仏教の主な法事の名称と日数の数え方(一周忌から) | ||
年忌法要早見表・一覧表 (何回忌か 法要早見表) |
浄土真宗の一部の宗派での名称 | |
法要の名前 | 時期[年数の数え方] 一周忌は1年目。三回忌以降は◯回忌マイナス1年目に行います |
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一周忌(いっしゅうき) | 亡くなってから満1年目の命日 | 一周会(いっしゅうえ) |
三回忌(さんかいき) | 満2年目の命日 | 三回会(さんかいえ) |
七回忌(ななかいき) | 満6年目の命日 | 七回会(ななかいえ) |
十三回忌(じゅうさんかいき) | 満12年目の命日 | 十三回会(じゅうさんかいえ) |
十七回忌(じゅうななかいき) | 満16年目の命日 | 十七回会(じゅうななかいえ) |
二十三回忌(にじゅうさんかいき) | 満22年目の命日 | 二十三回会(にじゅうさんかいえ) |
二十七回忌(にじゅうななかいき) | 満26年目の命日 | 二十七回会(にじゅうななかいえ) |
三十三回忌(さんじゅうさんかいき) | 満32年目の命日 | 三十三回会(さんじゅうさんかいえ) |
三十七回忌(さんじゅうななかいき) | 満36年目の命日 | 三十七回会(さんじゅうななかいえ) |
五十回忌(ごじっかいき) または遠忌(えんき・おんき) |
満49年目の命日 ※これ以降は年忌法要ではなく遠忌法要となります。 |
五十回会(ごじっかいえ) |
一周忌は亡くなってから満一年目に行ないますが、他の「◯回忌」という法要は満年数マイナス一年で行ないます(例えば三回忌は満3年目ではなく、満2年目の命日に行ないます。
令和2年に亡くなった場合、一周忌法要は令和3年。三回忌法要は3年目の令和5年ではなく2年目の令和4年に行います。) なお、年忌法要は、命日から年数が経つほど遺族のみで行われるようになります。命日に親族の都合がつかない場合、直前の土日などを利用して行うのが一般的です。 ※参考ページ「法事」>>> |
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何回忌という年忌法要はいつまでやるの? |
※宗派によって異なりますが、三十三回忌もしくは五十回忌が弔い上げとなります。 一般家庭では三十三回忌の頃に弔い上げとするケースが多いようです。親族で相談の上、お寺ともご相談下さい。 なお、仏教以外のキリスト教、神道・神式については、「法事」のページへ>>> |
2.お布施について
それでは、年忌法要(◯◯回忌法要)のお布施について説明します。
施主は法要の前に以下のお布施などを準備します。
1. お布施
2. お車代(寺以外の場所で法要を行う場合)
3. 御膳料(僧侶が会食を辞退された場合)
僧侶に渡す 「お布施」「お礼」の金額、相場について | |
お布施とは、法事・法要の際に僧侶(お寺)に渡す謝礼のことをさします。 お布施とは別に、僧侶を自宅にお招きして法要を行う場合にはお車代も別途包まなくてはなりません。 ※なお、お布施に関するのし袋の書き方(表書き)、お車代、お膳料については「お布施」のページで詳しく解説しています。>>> |
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◆法事の際のお布施の準備 | |
法事の際の「お布施」の金額はどのくらいを包む?(法事のお布施の金額の相場は) | |
・法要の際のお布施または御経料の金額相場は30,000円程度〜です。 一般的なお布施の金額の目安ですが、もし心配な場合には法要の予約をする際にお寺に料金を確認してください。 |
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自宅その他の会場で法要を行う場合「お車代」の金額はどのくらい? | |
・車やバイクなど、僧侶自身の運転でおこしいただいた場合、5,000円〜10,000円くらいをお車代として包みます。送迎タクシーを施主が手配し、タクシー会社へ実費を支払うこともあります。 | |
御膳料の金額はどのくらいを包む?(御膳料の金額の相場は) | |
・地方によって、また、法要の会場によっても異なりますが御膳料としては5,000円〜20,000円くらいです。 お渡しするケースは様々ですが、会食を用意しても僧侶が出席を辞退した場合や、諸都合で法要のあとに会食をしない場合等に用意します。 |
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※なお、お布施ののし袋の書き方(のしの表書き)は、「お布施」のページへ>>> |
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