一周忌法要 家族だけ

 一周忌法要は家族だけ、家族のみで行うのか?親族なども招くのか?迷うところですね。
 一般的には一周忌の頃までは遺族や親族のほかに故人が親しかった友人や知人、職場の人なども招いて法要を行うことがありますが、一周忌を過ぎると次第に遺族と親族だけで法要を行うようになります。
 そんな中で、特に最近では葬儀の「家族葬」と同様に、ごく内輪で法要を行いたいという声も多くなり、一周忌も身内や親族の一部などごく内輪だけで行う遺族もあります。ここでは家族のみで(家族だけで)行う一周忌、親族も招いて行う一周忌につい香典や服装、挨拶状・挨拶文のマナーや会食などについて解説します。
………このページの内容………

▼1. 一周忌法要とは?(一周忌の頃から小規模に)

▼2. 家族のみの一周忌・家族だけで行う一周忌法要、親族も招く一周忌法要
   ・場所、香典、服装、会食
▼3. 家族のみの一周忌法要の案内状(案内文)・挨拶状(挨拶文)
   ・誰に声をかける?どこまでの親族に声をかける?
   ・事前案内(通知)と事後報告
[関連ページ]
・一周忌引き出物 のしの書き方>>>
・一周忌引き出物 品物とお寺へのお礼>>>
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 1.一周忌法要とは?(一周忌の頃から小規模に)

仏教における一周忌とは、亡くなって満一年目の命日のことを言います。
一周忌には僧侶による読経のあと遺族や参列者による焼香がなされ、一連の儀式の後で、一同で食事をするのが一般的です。

[一周忌の頃から、または一周忌を過ぎると法要も小規模に]
 四十九日、そして初盆などの主な法要では、故人の遺族、親族のほか故人が親しかった友人・知人や職場の人などにも声をかけて法要を執り行います。
しかし、一周忌の頃からまたは一周忌を過ぎると次第に身内だけ(家族と親族だけ)で法要を行うようになります。

[家族と親族だけで行う一周忌]
 上述のように一周忌の頃から法要が小規模化していく中で、一周忌を機会に家族と親族だけで法要を行うのは決して珍しくありません。故人と親子関係、故人の兄弟姉妹、故人の祖父祖母、故人の孫を中心に伯父伯母、叔父叔母、甥姪など親族が

[家族だけで行う一周忌]
 まれなケースですが、家族だけで(遺族だけで)一周忌を行うケースもあります。ふだんから親族とのお付き合いがなかった場合や、親族が遠方にいる場合や、親族が高齢である場合などに家族だけで行われます。
 家族だけで行う場合、引出物や香典返しも不要となるため、お寺への謝礼だけで済むことから費用も比較的少額に押さえることができます。

一説によると、高齢化に伴い、職場を引退してから死亡するまでの期間が長くなるにつれて、法要への職場関係者・会社関係者による参列が減り、家族や近親者のみの法要が増えてきたことが一因とされているようです。また、ご高齢者の中には高齢者施設などで亡くなる方も増え、法要を通知する相手も少なくなり、自然に内輪だけのごくシンプルな法要すなわち家族だけの一周忌となるケースも多くなっているようです。

一般的な一周忌法要の準備、香典、服装マナー一周忌へ>>>

 2.家族のみの一周忌・家族だけで行う一周忌法要、親族も招く一周忌法要

ここでは家族だけで行う一周忌法要や、家族と親族のみのごく内輪で行う一周忌法要について、場所、香典、服装、会食を解説します。
一般的な一周忌法要の準備、香典、服装マナー一周忌へ>>>

家族だけで行う一周忌法要、家族プラス親族も招く一周忌法要
一周忌法要の内容
家族だけで行う一周忌法要 家族と親族 で行う一周忌法要
僧侶による読経のあと、焼香をし、故人を偲ぶのが本来の形です。

しかし家族だけで行う一周忌法要の場合は、故人や家族が最も望む形で儀式を行うことができます。例えば、しきたりやマナーにとらわれず、故人が好きだった音楽を流したり、家族全員でアルバムの写真を見ながら故人を偲んだり、この日をできるだけ家族の気持ちにそった形で過ごすのがベスト。
僧侶による読経に続き、焼香をします。

そのあとで会食(お斎=おとき)をするのが一般的な形です。
法要を行う場所
家族だけで行う一周忌法要 家族と親族 で行う一周忌法要
自宅もしくはお寺で行うのが一般的です。 自宅またはお寺などで行います。
少人数の場合には僧侶をお招きしてご自宅で一周忌法要をされることも多いのですが、(マンションやアパート等、住宅事情によっては)スペースが限られる場合はお寺の方が良いこともあります。
服装
家族だけで行う一周忌法要 家族と親族 で行う一周忌法要
 本来は喪服を着用するのがマナーです。
しかし自宅での法要の場合、家族が了承していれば、お寺と相談の上で喪服を着用せず地味な服装で行うこともあります。
 一例>お寺に予約する際に「家族だけで自宅で一周忌法要を行います。暑さも厳しいですし家族も高齢のため喪服ではなく地味な服装で失礼させて頂きたいと存じますが宜しいでしょうか」などと伝えてみましょう。
親族も出席する一周忌の場合には、一般的には喪服を着用します。

男性はブラックスーツ、黒ネクタイ、白いワイシャツ、黒い靴下、黒い靴。

女性は黒のスーツ、黒のワンピースなど。ストッキングは黒、靴も黒。光る素材のものは避けます。

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家族だけで行う一周忌法要、家族プラス親族も招く一周忌法要(つづき)
香典
家族だけで行う一周忌法要 家族と親族 で行う一周忌法要
施主が扶養している家族は香典を出す必要はありません。

その他の家族や、別居の家族が香典を出す場合にも、金額にこだわらず、各家族の事情や法要の規模に応じた金額でOK。
施主が扶養している家族は香典を出す必要はありません。
親族が香典を出す場合は、ふだんのお付き合いの程度に応じて、一般的な一周忌法要の香典の金額を包みます。
香典の表書き「御仏前」「御供物料」「御供花料」など。

※参考…一周忌の香典の金額>>>
会食
家族だけで行う一周忌法要 家族と親族 で行う一周忌法要
一周忌法要のあと、会食を行うかどうかは施主の裁量次第です。大げさなものでなくても故人を偲んで家族で食事を共にする形でも良いでしょう。
会食を行わない場合には、僧侶にお酒の小瓶や折り詰めのお料理をお持ち帰り頂くか、「御膳料」と書いた白封筒にお食事代を包んでお布施やお車代と一緒にお渡しします。
一周忌法要のあと、会食を行うかどうかは施主の裁量次第です。
会食を行う場合には僧侶にも声掛けをします。会食を行わない場合や僧侶が出席を辞退された場合には、僧侶にお酒の小瓶や折り詰めのお料理をお持ち帰り頂くか、「御膳料」と書いた白封筒にお食事代を包んでお布施やお車代と一緒にお渡しします。

 3.家族だけ、家族のみの一周忌法要の案内状(案内文)・挨拶状(挨拶文)

誰に声をかける?どこまでの親族に声をかける?
 一般的な一周忌は家族以外の親族にも声をかけます。故人のお付き合いの広さによっては友人や知人、会社関係にも声をかけることがあります。
しかし、一方で普段から親族とのお付き合いがなかった場合や、親族が遠方にいる場合、あるいは親族が高齢である場合などに家族だけで一周忌法要が行われます。
 ここでは家族だけで一周忌法要を行う場合の案内状(案内文)と挨拶状(挨拶文)の文例・例文をご紹介します

※なお、一般的な一周忌法要の案内状はこちら>>>
家族以外の人(親族その他)にも出席をしてもらうのか、に、いつ・どのようにして知らせるのかは遺族で相談して決めます。

家族だけで行う一周忌法要
出席・参列する人 (どこまでの親族を呼ぶ?・どこまで参列?)

最初に施主はどこまでの親族に声をかけるかを決めます。
一周忌法要は亡くなった人の家族・身内や親族のみで行われるほか、場合によってはごく親しくしていた人も出席・参列をすることがあります(下記のB、C、Dまで声をかけることがあります)。このページではAのみに声をかける場合の案内状や挨拶状を解説します。

[一周忌法要に出席・参列する人]
A1.故人と同居の家族のみ
A2.故人の家族のみ
(同居・別居にかかわず故人の祖父母、故人の配偶者、故人の兄弟姉妹、故人の子 、故人の孫)

B.故人の近親者のみ(同居・別居にかかわらず二親等まで=故人の配偶者、故人と配偶者の「祖父母、父母、兄弟姉妹、子、孫」まで。それぞれの配偶者も含みます)
C.故人の家族および親族のみ
  (Bの近親者に加えて、日頃のおつきあいがあれば故人のいとこ、故人の甥姪などが加わります)
D.故人の家族、親族および、故人とごく親しくしていた人

[文例1][文例2]一周忌 法事・法要の案内状につづく

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[文例1] 家族だけで行う一周忌法要の案内状(案内文)
謹啓 晩秋の侯
  皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます
★このカッコ内の文章は省略可能
(★亡父 治朗の葬儀の際にはお忙しい中ご参列を賜り 且つ過分なるお心遣いを頂きましてありがとうございました)

早いものでまもなく亡父 治朗(上の★を挿入した場合には重複表現を避けるため「父」のみとする)の一周忌を迎えます 
 本来であれば皆様にご臨席賜り 一周忌の法要を営むところではございますが 甚だ勝手ながらこのたびの法要につきましては家族のみでささやかに営みたいと存じます 誠に恐縮ではございますが何卒私共家族の気持ちをご理解頂きご了承頂ければ幸いでございます 
これまでの一年間に皆様に賜りましたご厚情に心より感謝申し上げますとともに改めてお詫びを申し上げます。
末筆ではございますが皆様のご健勝をお祈り申し上げます
敬具  
令和◯◯年◯月
住所 ◯◯市◯◯町 ◯−◯−◯ 鈴木 太郎
・謹啓+敬具は、頭語と結語としてペアで用います。拝啓+敬具でも構いません。
・冒頭の「晩秋の候」は時候の挨拶です。季節に合わせてアレンジして下さい。
・文中では「。」「。」といった句読点を用いないのが慣例となっています。

※ 上記の文は「家族だけで一周忌法要を行う」という内容を事前に伝えて親族の了承を得るもので、本来は事前に良く他の親族と相談するか、もしくは(相談もできない場合でも)事前にこうしたお詫びの挨拶文を送るのが、親族とのおつきあいのマナーと言えます。法要の前に送ることで、せめてお供物や供花だけでもお供えしたいという他の親族の気持ちを叶えることができます。
もし、どうしても事後報告にしたい場合は、事前に案内状を送らずに、法要を済ませたあとで下記のような挨拶状を送ります。

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[文例2] 事後報告>家族のみで行った一周忌法要の挨拶状(挨拶文)

謹啓 初冬の侯
  皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます
★このカッコ内の文章は省略可能
(★亡父 治朗の葬儀の際にはお忙しい中ご参列を賜り 且つ過分なるお心遣いを頂きましてありがとうございました)

早いもので父(父 治朗)の逝去から一年が経ち このたび一周忌法要を家族のみ(近親者のみ)にて相済ませました
本来であれば皆様にご臨席賜るところではございますが 家族だけで営みたいという家族の気持ちから 甚だ勝手ながら家族のみ(近親者のみ)にてささやかに行わせて頂きました 事後の報告となり誠に恐縮ではございますが何卒私共家族の気持ちをご理解頂きご了承頂ければ幸いでございます
これまでの一年間に皆様に賜りましたご厚情に心より感謝申し上げますとともに改めてお詫びを申し上げます。

 茲に故人が生前に賜りましたご厚情に深謝し 慎んでご報告申し上げます
末筆ではございますが皆様のご健勝をお祈り申し上げます
敬具  
令和◯◯年◯月
住所 ◯◯市◯◯町 ◯−◯−◯ 鈴木 太郎
・謹啓+敬具は、頭語と結語としてペアで用います。拝啓+敬具でも構いません。
・冒頭の「初冬の候」は時候の挨拶です。季節に合わせてアレンジして下さい。
・文中では「。」「。」といった句読点を用いないのが慣例となっています。

※ 上記の文は「家族だけで一周忌法要を行った」という内容を事後報告の形で伝えてお詫びをしています。

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