お布施のマナー

■ お布施とは
葬儀や法事法要の際にお寺に(僧侶に)渡す謝礼をお布施と言います。戒名を頂いたときの謝礼は戒名料(または院号料など)とされ、お布施とは分けて考えられますが、お寺にお渡しする際に戒名料も含めて「お布施」としてお渡しすることもあります。
 このページではお布施の金額相場と、お布施の包み方、渡し方について解説します。なお、前のページでは、亡くなってから通夜、葬式葬儀、法事法要の流れを追いながらお布施を解説しています>前のページへ
………このページの内容………
▼1. お布施とは? 前のページへ
▼2. 葬儀のお布施(お通夜、葬式・葬儀のお布施) 前のページへ
▼3. 法事・法要のお布施(四十九日、納骨、一周忌、三回忌ほか) 前のページへ
▼4. お布施の金額相場
▼5. お布施の袋の書き方と包み方
 お布施の封筒 書き方、封筒の種類
▼6. お布施の渡し方(作法と一言そえるあいさつ)
…[参考ページ]…
※お布施 書き方(葬儀のお布施は薄墨?濃い墨?)>>>
※お布施 書き方(法事のお布施は薄墨?濃い墨?)>>>
※お布施の書き方(中袋、裏面)>>>
※お布施の書き方(お車代、お膳料)>>>
※お布施の封筒 書き方、お金の入れ方>>>
※お布施の封筒 閉じ方・糊付け>>>

 4.お布施の金額相場

葬儀や法要の際のお布施の金額については、お通夜や葬儀に際し、お寺に最初に連絡した折りに、金額を確認することをおすすめします。
…とは言え、金額を提示されず「お気持ちで」と言われると いくら包めばよいか困ってしまうものですよね。一番オススメなのは葬儀社にあらかじめ尋ねることですが、参考までに一般 例をご紹介します。

僧侶に渡す 「お布施」「お礼」の金額、相場について
◆通夜・葬儀の際のお布施の準備
お通夜・葬儀の際の「お布施」の金額はどのくらいを包む?
(枕経〜通夜〜葬儀・告別式〜還骨勤行のお布施の金額の相場は)
・通夜〜葬儀のお布施(御経料)の金額相場は、少なくとも20万円程度以上というのが相場のようです(お寺により異なります)。この金額は一日分ではなく、お通夜〜葬儀告別式までのすべての読経料を含みます。
但し、普段のお寺との付き合い(菩提寺として毎年寄付をしている等など、事情により金額が変わります)や、地域により金額が異なります。
また、上限はありませんので、故人がお世話になったりお寺との親交が深かったりなどの理由で多くお渡しすることもあります。
一般的なお布施の金額の目安ですが、心配な場合には予約をする際にお寺に料金を確認してください。

最近は戒名料も含めた形でお布施を支払うこともあります。お寺にお渡しする際に「おかげさまで無事に葬儀が済みました。ありがとうございました。これはお礼でございます。戒名料も含みます」と申し添えるとわかりやすいと思います。
戒名料を加えてお渡しする場合には、下記のようになります。戒名料は、名前のランクにより異なります。

※下記の金額は宗派によって異なりますし、大きなお寺では高額になるところもあります。また逆に、最近は費用の透明化がすすんだおかげで以前と比較すると格安で受けるところも増えてきました。

※下記の戒名は一般的な例です。戒名も宗派によって異なります。日蓮宗では女性には妙の字、男性には日や法の字が使われます。また、浄土真宗では女性には釈尼、男性には釈の文字が使われ、戒名ではなく法名と呼びます。

お通夜〜葬儀(2日間)
戒名料+お経料の形で、お布施を包む場合の金額

最も多い戒名
「◯◯信士」「◯◯信女」の場合+お経料
25万円〜50万円くらい
次のランクの戒名
「◯◯居士」「◯◯大姉」の場合+お経料
40万円〜80万円くらい
次のランクの戒名
「□□院◯◯信士」「□□院◯◯信女」の場合+お経料
70万円〜くらい
(地域によっては50万円〜)
次のランクの戒名
「□□院◯◯居士」「□□院◯◯大姉」の場合+お経料
100万円〜くらい
(地域によっては60万円〜)
最上位ランクの戒名
「□□院殿◯◯大居士」 「□□院殿◯◯清大姉」の場合+お経料
上記以上の金額
僧侶に渡す 「お布施」「お礼」の金額、相場について(つづき)
自宅その他の会場で法要を行う場合「お車代」の金額はどのくらい?
・車やバイクなど、僧侶自身の運転でおこしいただいた場合、5,000円〜10,000円くらいをお車代として包みます。送迎タクシーを施主が手配し、タクシー会社へ実費を支払うこともあります。
御膳料の金額はどのくらいを包む?(御膳料の金額の相場は?)
・通夜ぶるまいや精進おとしを僧侶が欠席された場合にお渡しします。
地方によって、また、自宅か葬祭場かホテルか、などの会場によっても異なりますが御膳料としては5,000円〜20,000円くらいです。
僧侶に渡す 「お布施」「お礼」の金額、相場について(つづき)
◆火葬の際だけ読経を依頼する場合のお布施
火葬場での読経を単独で依頼する場合のお布施は?
・特別に、火葬の際の読経だけを単独で依頼できる寺もあります(但し、すべてのお寺で受けてくれるわけではありません)。お布施の金額は5万円程度からです。
◆法事の際のお布施の準備
法事の際の「お布施」の金額はどのくらいを包む?(法事のお布施の金額の相場は)
法要の際のお布施または御経料の金額相場は30,000円程度〜です。
一般的なお布施の金額の目安ですが、心配な場合には法要の予約をする際にお寺に料金を確認してください。
自宅その他の会場で法要を行う場合「お車代」の金額はどのくらい?
・車やバイクなど、僧侶自身の運転でおこしいただいた場合、5,000円〜10,000円くらいをお車代として包みます。送迎タクシーを施主が手配し、タクシー会社へ実費を支払うこともあります。
御膳料の金額はどのくらいを包む?(御膳料の金額の相場は)
・地方によって、また、法要の会場によっても異なりますが御膳料としては5,000円〜20,000円くらいです。

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 5.お布施の袋の書き方
(お布施の封筒の書き方、封筒の種類、裏書き、金額)

それでは、お布施の封筒・お布施の袋の表書きの書き方などについてご説明いたします。
施主は以下のお布施などを準備します。
 1. お布施
 2. お車代(寺以外の場所で法要を行う場合)
 3. 御膳料(僧侶が会食を辞退された場合)

お通夜・葬儀〜法事・法要の際に僧侶に渡す 「お布施」「お礼」について
項目 / 準備の内容とポイント
◆お布施の準備と書き方
僧侶にお布施を渡す際の、袋の書き方は?

お布施

・通夜・葬儀や法事・法要の際、寺の住職(僧侶、和尚様、ご院家様)に読経をしていただいたら、お礼として現金を袋に入れて渡します。

▼お布施の袋、封筒の種類
お布施を入れる袋は、熨斗袋ではなく、白い封筒を使います。この場合、お布施の封筒は、二重になっているものは使わないようにします。(「不幸ごとが重なる」といわれます。二重封筒は避けた方が良いでしょう。)
郵便番号の欄の無いものを選んでください。

・ 表書きは「御布施」「お布施」「御経料」などです。

お布施の書き方

▼お布施の下段の書き方
・下段は、右の見本画像のように、「◯◯家」と施主の姓を書くか、または施主の氏名を書きます。

・薄墨ではなく黒い墨で(真っ黒の墨で)書きます。

・本来は半紙の中包みに入れて、奉書紙で包むのが最も正式な形です。のし袋は用いません。

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◆お車代の準備
自宅その他の会場でお通夜・葬儀、法事・法要を行う場合、交通費を入れる袋の書き方は?

お車代

・通夜・葬儀、法事・法要のために自宅やその他の会場まで僧侶におこし頂く場合には、交通 費を右のイラスト画像のような袋に入れてお渡しします。

・袋は、熨斗袋ではなく、白い封筒を使います。この場合の封筒は、二重になっているものは使わないようにします。郵便番号の欄の無いものを選んでください。

・ 表書きは「お車代」が一般的です。

・下段は、なし。

・薄墨ではなく黒い墨で(真っ黒の墨で)書きます。
◆お膳料の準備
僧侶が、精進おとしや、法事の会食を辞退された場合には?

御膳料

・四十九日の法要の際、会食の席を用意しているにも関わらず、僧侶が出席を辞退してお帰りになる場合には、右の画像のように「御膳料」を包みます。

・袋は、熨斗袋ではなく、白い封筒を使います。この場合の封筒は、二重になっているものは使わないようにします。郵便番号の欄の無いものを選んでください。

・ 表書きは「御膳料」が一般的です。

・下段は、なし。

・薄墨ではなく黒い墨で(真っ黒の墨で)書きます。

※会食そのものを実施しない場合には、折り詰めの料理、お酒の小壜などをお持ち帰り頂きます。

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 6.お布施の渡し方

ここでは、施主が僧侶にお布施渡す時のマナー・作法を中心に、一言添える挨拶の文例をご紹介します

僧侶に「お布施」を渡す時 お布施の渡し方
項目 / お布施の渡し方の内容とポイント
◆お布施はお盆にのせて渡す
僧侶に法要のお礼を渡す際の、渡し方は?
・通夜、葬儀の読経や、法要の読経が終わり、僧侶が帰られる際にはお礼としてお布施をお渡しします。
(必要があれば、お車代、御膳料も一緒にお渡しします)。
お布施は直接手渡すのではなく、小さなお盆に載せて用意します。お盆は、切手盆などが体裁が良いのですが無ければ小さなお盆に載せ、文字の正面を僧侶の方に向けて差し出します。

[僧侶にお布施をお渡しするときに添える、一言挨拶の例]
本日は、父の◯◯◯に(例:四十九日に)際し、お心のこもったおつとめをして頂きましてありがとうございました。
些少ではございますが、これはお礼でございます。どうぞお納め下さい。どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。
本日は、父の◯◯◯に(例:一周忌に)際し、お心のこもったお勤めをして頂きましてありがとうございました。またお忙しい中を最後までお付き合い頂きありがとうございました。
些少ではございますが、これはお礼でございます。どうぞお納め下さい。どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。
など。
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▼2. 葬儀のお布施(お通夜、葬式・葬儀のお布施) 前のページへ
▼3. 法事・法要のお布施(四十九日、納骨、一周忌、三回忌ほか) 前のページへ
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